○鹿児島市自家用電気工作物保安規程
昭和42年4月29日
訓令第22号
(注) 平成21年から改正経過を注記した。
第1章 総則
(趣旨)
第1条 鹿児島市長(以下「市長」という。)の管理する事業場における自家用電気工作物(契約電力300kw以下)の工事、維持および運用を確保するため、電気事業法(昭和39年法律第170号。以下「法」という。)第74条第3項において準用する法第52条第1項の規定に基づき、この規程を定めるものとする。
(効力)
第2条 市長又は市長の委嘱する管理者(以下「管理者」という。)および職員は、電気関係法令およびこの規程を遵守するものとする。
2 管理者は本庁においては企画財政局財政部長とし、出先においては出先の長とする。
(平21訓令4・一部改正)
(規程の改正)
第3条 この規程の改正にあたつては、電気主任技術者の参画のもとに立案し、これを決定するものとする。
第2章 保安業務の運営管理体制
(保安業務の監督)
第4条 自家用電気工作物の工事、維持および運用に関する保安業務は、管理者が総括管理し、電気主任技術者を事業場に配置してその監督にあたらせるものとする。
第5条 電気主任技術者の保安監督の職務は、つぎの事項について行なうものとする。
(1) 電気工作物に係る保安教育に関すること。
(2) 電気工作物の工事に関すること。
(3) 電気工作物の保守に関すること。
(4) 電気工作物の運転操作に関すること。
(5) 災害対策に関すること。
(6) 保安業務の記録に関すること。
(7) 保安用器材および書類の整備に関すること。
2 電気主任技術者は、法令およびこの規程を遵守し、電気工作物の工事、維持および運用に関する保安監督の職務を誠実に行なわなければならない。
(設置者の義務)
第6条 電気工作物に関する保安上重要な事項を決定し、または行なおうとするときは、電気主任技術者の意見を求めるものとする。
2 電気主任技術者の電気工作物に係る保安に関する意見を尊重するものとする。
3 法令に基づいて所管官庁に提出する書類の内容が電気工作物に係る保安に関係のある場合には、電気主任技術者の参画のもとにこれを立案し、決定するものとする。
4 所管官庁が法令に基づいて行なう検査には、電気主任技術者を立会わせるものとする。
(従業者の義務)
第7条 電気工作物の工事、維持または運用に従事するものは、電気主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。
(電気主任技術者の不在時の措置)
第8条 管理者は、電気主任技術者が病気その他やむを得ない事情により不在となる場合にその業務の代行を行なう者(以下「代務者」という。)をあらかじめ指名しておくものとする。
2 代務者は、電気主任技術者の不在時には電気主任技術者に指示された職務を誠実に行なわなければならない。
(電気主任技術者の解任)
第9条 電気主任技術者が次の各号の一に該当する場合は、解任することができるものとする。
(1) 電気主任技術者が病気により欠勤が長期にわたりまたは精神障害等により、保安確保上不適当と認められたとき。
(2) 電気主任技術者が法令またはこの規程の定めるところに違反し、または怠つて保安の確保上不適当と認められたとき。
(3) 電気主任技術者が刑事事件により起訴されたとき。
2 前項に該当する場合のほか、電気主任技術者はその意に反して解任されないものとする。
第3章 保安教育
(保安教育)
第10条 電気主任技術者は、保安に係る職員に対し、電気工作物に関し必要な知識および技能の教育を行なわなければならない。
(保安に関する訓練)
第11条 電気主任技術者は電気工作物の保安に係る職員に対し、災害その他電気事故が発生した時の措置について必要に応じ実地指導訓練を行なうものとする。
第4章 工事の計画および実施
(工事計画)
第12条 管理者は、電気工作物の設置、改造等の工事計画を立案するにあたつては、電気主任技術者の意見を求めるものとする。
2 電気主任技術者は電気工作物の安全な運用を確保するために電気工作物の主要な修繕工事および改良工事(以下「保修工事」という。)計画を立案し、管理者の承認を求めなければならない。
(工事の実施)
第13条 電気工作物に関する工事の実施にあたつては、電気主任技術者の監督のもとに施工するものとする。
2 電気工作物に関する工事を他の者に請負わせる場合には、常に責任の所在を明確にし、完成した場合には電気主任技術者においてこれを検査し、保安上支障のないことを確認して引取るものとする。
第5章 保守
(巡視、点検、測定)
第14条 電気工作物の保安のための巡視、点検および測定は別表第1に定める基準に従い、管理者の承認を経て主任技術者の指導のもとに計画的に実施するものとする。
第15条 巡視、点検または測定の結果法令に定める技術基準に適合しない事項が判明したときには、当該電気工作物の使用を一時停止し、若しくは制限する等の措置を講じ、修理し、改造し、移設し、常に技術基準に適合するよう維持するものとする。
(事故の再発防止)
第16条 電気主任技術者は、事故その他異常が発生した場合には、必要に応じ臨時に精密検査を行ないその原因を究明し、再発防止に遺憾のないよう措置するものとする。
第6章 運転又は操作
(運転又は操作等)
第17条 電気主任技術者は、平常時および事故その他異常時におけるしや断器、開閉器、その他の機器の操作順序、方法等についてあらかじめ定めておかなければならない。
2 電気主任技術者もしくは代務者または職員は、事故その他異常が発生した場合にはあらかじめ定められた事故の軽重の区分に従い所定の関係先に迅速に報告もしくは連絡し、または指示を受け適切な応急措置をとらなければならない。
3 前項の連絡もしくは報告すべき事項ならびに経路は、受電室その他見やすい場所に掲示しておかなければならない。
4 受電用しや断器の操作にあたつては、必要に応じて関係電気事業者の事業所と連絡を行なうものとする。
第7章 災害対策
(防災体制)
第18条 管理者は非常災害時その他の災害にそなえて、電気工作物の保安を確保するために適切な措置をとることができるような体制を整備しておくものとする。
第19条 電気主任技術者は、非常災害発生時において電気工作物に関する保安を確保するための指揮監督を行なう。
2 電気主任技術者は、災害等の発生に伴い危険と認められるときは、直ちに送電を停止することができる。
第8章 記録
第20条 電気工作物の工事、維持および運用に関する記録は別表第2、第3、第4に定めるところにより記録し、これを3年間保存しなければならない。
2 主要電気機器の保修記録は別表第5、第6に定めるところにより記録し、必要な期間保存するものとする。
第9章 責任の分界
(責任の分界点)
第21条 九州電力株式会社の設置する電気工作物と保安上の責任分界点は、電力需給契約に基づき、別図第1に示された位置に設置した開閉器の負荷側端子とする。
(需要設備の構内)
第22条 需要設備の構内は別図第1に示すとおりとする。
第10章 整備その他
(危険の表示)
第23条 管理者は受電室その他高圧電気工作物が設置されている場所等であつて、危険のおそれのあるところには、人の注意を喚起するよう表示を設けるものとする。
(測定器具類の整備)
第24条 電気工作物の保安上必要とする測定器具類は整備し、適正に保管するものとする。
(設計図書類の整備)
第25条 電気工作物に関する設計図、仕様書、取扱い説明書等については必要な期間整備保存するものとする。
(手続書類等の整備)
第26条 関係官庁、電気事業者等に提出した書類および図面その他主要文書については、その写しを必要な期間保存するものとする。
付則
この規程は、昭和42年4月29日から施行する。
付則(昭和43年7月5日訓令第13号)
この規程は、昭和43年7月5日から施行する。
付則(昭和48年7月1日訓令第11号)
この訓令は、昭和48年7月1日から施行する。
付則(平成21年3月27日訓令第4号抄)
(施行期日)
1 この訓令は、平成21年4月1日から施行する。
別表第1
巡視、点検、測定ならびに手入基準
項目 対象 | 日常巡視点検手入 | 定期巡視点検手入 | 精密点検手入 | 測定 | |||||||||
NO. | 週期 | 点検ケ所ねらい | NO. | 週期 | 点検ケ所ねらい | NO. | 週期 | 点検ケ所ねらい | NO. | 週期 | 測定ケ所 | ||
受電設備 | 断路器 | 1 | 1週間 | 受と刃の接触、過熱、ゆるみ | 1 | 1年 | 受と刃の接触、過熱、ゆるみ、荒れ具合 |
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| 1 | 1年 | 絶縁抵抗測定 |
2 | 1週間 | 汚損、異物付着 | 2 | 1年 | フレ止め装置の機能 | ||||||||
しや断器 (OCB) | 1 | 1週間 | 外観点検、汚損、油漏れ、きれつ、過熱、発錆損傷 | 1 | 1年 | 各部の損傷、腐食、過熱、油量、発錆、変形、ゆるみ | 1 | 3年 | しや断速度測定(開極投入時間最小動作電圧および電流の測定を含む) | 1 | 1年 | 絶縁抵抗測定 | |
2 | 1年 | 接地抵抗測定 | |||||||||||
3 | 2年 | 絶縁油耐圧試験 | |||||||||||
2 | 1週間 | 指示、点灯 | 2 | 1年 | 操作具合、機構 | 4 | 不定期 | 必要により動作特性 | |||||
3 | 1週間 | その他必要事項 | 3 | 1年 | 付属装置の状態 | ||||||||
4 | 1年 | 油の汚れ、必要によりその特性調査 | |||||||||||
5 | 1年 | 接地線接続部 | |||||||||||
母線 |
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| 1 | 1年 | 母線の高さ、たるみ、他物との離隔距離、腐食、損傷、過熱 |
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| 1 | 1年 | 絶縁抵抗測定 | |
2 | 1年 | 接続部分、クランプ類の腐食、損傷、過熱、ゆるみ | |||||||||||
3 | 1年 | がいし類、支持物の腐食、損傷変形、ゆるみ | |||||||||||
受電用変圧器 | 1 | 1週間 | 本体の外部点検、漏油、汚損、振動、音響、温度 | 1 | 1年 | 各部の損傷、腐食、発錆、ゆるみ、汚損、油量 | 1 | 5年~10年 | 内部について点検(コイル、接続部リード線、鉄心その他各部) | 1 | 1年 | 絶縁抵抗測定 | |
2 | 1年 | 接地抵抗測定 | |||||||||||
3 | 不定期 | 絶縁油耐圧試験 | |||||||||||
2 | 1年 | 接地線接続部 |
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計器用変成器 | 1 | 1週間 | 外部の損傷、腐食、発錆、変形、汚損、温度、音響、ヒューズの異常、その他必要事項 | 1 | 1年 | 外部の損傷、腐食、接触、発錆、ゆるみ、変形、きれつ、汚損、ヒューズの異常 |
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| 1 | 1年 | 絶縁抵抗測定 | |
2 | 1年 | 接地抵抗測定 | |||||||||||
2 | 1年 | 接地線接続部 | |||||||||||
避雷器 | 1 | 1週間 | 外部の損傷、きれつ、ゆるみ、汚損 | 1 | 1年 | 外部の損傷、きれつ、ゆるみ、汚損、コンパウンドの異常 |
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| 1 | 1年 | 絶縁抵抗測定 | |
2 | 1年 | 接地抵抗測定 | |||||||||||
2 | 1年 | 接地線接続部 | |||||||||||
配電盤 | 1 | 1週間 | 計器の異状、表示灯の異状、操作、切換開閉器などの異状、その他必要事項 | 1 | 1年 | 裏面配線のじんあい、汚損、損傷、過熱、ゆるみ、断線 | 1 | 2年 | 各部の損傷、過熱、ゆるみ、断線、接触、脱落 | 1 | 1年 | 絶縁抵抗測定 | |
2 | 1年 | 接地抵抗測定 | |||||||||||
3 |
| 保護継電器の動作特性 | |||||||||||
2 | 1年 | 接地線接続部 | 2 | 2年 | 端子配線符号 | 4 |
| 計器較正 | |||||
電火用コンデンサー | 1 | 1週間 | 本体外部点検、漏油、汚損、音響、振動 | 1 | 1年 | 各部の損傷、腐食 |
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| 1 | 1年 | 絶縁抵抗測定 | |
蓄電池 | 1 | 1週間 | 液面、沈澱物、色相、極板彎曲、隔離板、端子のゆるみ、損傷 | 1 | 1年 | 木台、がいしの腐食、損傷、耐酸塗料のはくり | 1 | 3年 | 充電装置の内部 | 1 | 1ケ月 | 比重測定 | |
2 | 1ケ月 | 液温測定 | |||||||||||
2 | 1年 | 床面の腐食損傷 | |||||||||||
2 | 毎日 | 表示電池の電圧、比重、温度測定 | 3 | 1年 | 充電装置の動作状況 | 3 | 1ケ月 | 各電池の電圧測定 | |||||
配電設備(屋外電線を含む) | 断路器、しや断器開閉器類 | 1 | 1週間 | 受電設備用と同じ | 1 | 1年 | 受電設備用と同じ |
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| 受電設備用と同じ |
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| 受電設備用と同じ |
配電用変圧器 |
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| 1 | 1年 | 受電設備用と同じ |
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| 受電設備用と同じ |
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| 受電設備用と同じ | |
電線および支持物 | 1 | 1週間 | 電線の高さ及び他の工作物、樹木との距離 | 1 | 1年 | 電柱、腕木、がいし、支線、支柱、保護網などの損傷腐食 |
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| 1 | 1年 | 絶縁抵抗測定 | |
2 | 1週間 | 標識、保護さくの状況 | 2 | 1年 | 電線取付状態 | ||||||||
ケーブル | 1 | 1週間 | ヘツド、接続箱分岐箱など接続部の加熱、損傷腐食、及びコンパンド油漏れ | 1 | 1年 | ケーブル腐食、きれつ、損傷 |
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| 1 | 1年 | 絶縁抵抗測定 | |
2 | 1週間 | 布設部の無断掘さく | |||||||||||
3 | 1週間 | 標識他物との離隔距離 | |||||||||||
負荷設備 | 電動機その他回転機 | 1 | 毎日 | 運転者が音響回転、過熱、異臭、吸油状況などについて注意する | 1 | 3ケ月 | 音響、振動、温度 | 1 | 3年 | 温度上昇等を考慮し内部分解点検、コイル、軸受、通風、付属装置などの手入 | 1 | 1年 | 絶縁抵抗測定 |
2 | 1年 | 接地抵抗測定 | |||||||||||
2 | 1年 | 各部の汚損、ゆるみ、損傷、伝達装置の異状 | |||||||||||
2 | 1週間 | 整流子、刷子、集電環 | 3 | 1年 | 制御装置点検 | 2 | 3年 | 温度上昇等を考慮し回転子引出掃除 | |||||
4 | 1年 | 接地線接続部 | |||||||||||
照明設備 | 1 | 毎日 | 異音、汚損、不点 | 1 | 1年 | 照明効果、汚損損傷、音響、温度、コンパウド漏れ |
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| 1 | 1年 | 絶縁抵抗測定 | |
配線 | 1 | 1週間 | 開閉器の点検、湿気、じんあい等に注意 |
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| 開閉器、機具の接続 |
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| 1 | 1年 | 絶縁抵抗測定 | |
非常用予備発電設備 | 原動機関係 | 1 | 1週間 | 燃料系統からの漏油および貯溜 | 1 | 1年 | 機関主要部分の分解 | 1 | 3年 | 内燃機関の分解 |
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2 | 1週間 | 機関の始動停止 | |||||||||||
3 | 1週間 | 始動用空気タンクの圧力 | |||||||||||
発電機関係 |
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| 電動機その他回 |
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| 電動機その他回転 |
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| 電動機その他回転 | 1 | 1年 | 絶縁抵抗測定 | |
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| 転機と同じ |
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| 機と同じ |
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| 機と同じ | 2 | 2年 | 接地抵抗測定 |
別図第1(省略)