○鹿児島市開発行為、建築等における災害の防止に関する条例

昭和52年3月31日

条例第15号

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、シラスその他これに類する特殊土じようでおおわれ、かつ、しばしば台風の来襲を受け、雨量の極めて多い自然的条件のもとにある本市において行われる開発行為、建築等における災害の防止及び災害発生時の避難等について定め、もつて市民の生命、身体及び財産を災害から保護することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 災害 暴風、豪雨、洪水及び高潮により生ずる被害をいう。

(2) 防災 災害を未然に防止し、災害が発生した場合における被害の拡大を防ぎ、及び災害の復旧を図ることをいう。

(3) 開発行為 土地の区画形質を変更するすべての行為をいう。

(4) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。

(5) 建築 建築基準法第2条第13号に規定する建築をいう。

(6) 公共施設 道路、河川、水路、公園、広場その他公共の用に供するこれらに類する施設をいう。

第2章 市の責務

(基本的責務)

第3条 市は、市民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、その有する機能を発揮するとともに、国、他の地方公共団体及び公共的団体並びに市民の協力を得て、防災上の業務の遂行に努めなければならない。

(防災計画の実施)

第4条 市は、前条の責務を遂行するため、防災に関する計画を作成し、その円滑な実施に努めなければならない。

2 前項の場合において、市は、国、他の地方公共団体及び公共的団体並びに市民に対し協力を要請し、総合的機能の発揮に努めなければならない。

(施設の安全確保)

第5条 市は、開発行為、建築等の事業を実施するときは、防災に関し十分な配慮をしなければならない。

2 市は、その所有し、占有し、又は管理する公共施設その他の財産について、防災上の安全の確保に努めなければならない。

第3章 市民の責務

(基本的責務)

第6条 市民は、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合においては、相互に協力援助するとともに、市が行う防災業務に協力し、安全の確保に努めなければならない。

(財産の保全)

第7条 市民は、その所有し、占有し、又は管理する土地、建物、施設その他の財産について、防災上の安全の確保に努めなければならない。

(公共施設の安全確保)

第8条 市民は、公共施設を破損し、又は公共施設に廃棄物を投棄するなど災害発生の原因となり、又は原因となるおそれのある行為をしてはならない。

2 市民は、公共施設に投棄され、又は滞留する廃棄物等について、これを除去し、処理するなど防災上の安全の確保に努めなければならない。

(防災組織の設置)

第9条 市民は、災害時における自らの安全を確保するため、自主的な防災組織の設置に努めなければならない。

(防災訓練等への参加)

第10条 市民は、市その他法令の規定により防災に関する責務を有する者又は市民の設置する自主的な防災組織等が実施する防災訓練その他防災に関する行事に積極的に参加するように努めなければならない。

第4章 開発行為、建築等

(開発行為における防災)

第11条 開発行為を行う者は、都市計画法(昭和43年法律第100号)、宅地造成等規制法(昭和36年法律第191号)その他の法令、条例等を遵守するとともに、災害を防止するための万全の措置を講じなければならない。

(工事計画変更の助言、勧告等)

第12条 市長は、宅地造成等規制法に規定する宅地造成、都市計画法に規定する開発行為又はその他の法令に規定するこれらに類する行為以外の開発行為について、防災上特に必要があると認めるときは、当該開発行為を行う者に対し、工事計画その他必要な事項について説明を求めることができる。

2 市長は、前項の開発行為が防災上適当でないと認めるときは、当該開発行為を行う者に対し、当該工事計画の変更について助言し、又は勧告することができる。

(開発行為の届出)

第13条 次に掲げる開発行為(以下「届出の必要な開発行為」という。)をしようとする者は、当該開発行為に着手する前に、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。

(1) 切土であつて、当該切土をした土地の部分に高さが2メートルを超えるがけを生ずることとなるもの

(2) 盛土であつて、当該盛土をした土地の部分に高さが1メートルを超えるがけを生ずることとなるもの

(3) 切土と盛土とを同時にする場合における盛土であつて、当該盛土をした土地の部分に高さが1メートル以下のがけを生じ、かつ、当該切土及び盛土をした土地の部分に高さが2メートルを超えるがけを生ずることとなるもの

(4) 前3号のいずれにも該当しない切土又は盛土であつて、当該切土又は盛土をする土地の面積が合わせて500平方メートルを超えるもの

2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる開発行為については、届け出ることを要しない。

(1) 法令又は条例の規定による許可又は認可を受けて行う開発行為

(2) 非常災害のため必要な応急措置として行う開発行為(前号に該当するものを除く。)

(3) 前2号に掲げるもののほか規則で定める開発行為

(平16条例23・追加)

(標識の設置の届出)

第14条 届出の必要な開発行為を行う者は、当該開発行為の工事に着手しようとする日の2週間以上前の日から工事完了の日までの間、当該開発行為の概要を記載した標識を開発行為の区域内の見やすい場所に設置し、その旨を市長に届け出なければならない。

(平16条例23・追加)

(完了の届出)

第15条 届出の必要な開発行為の届出をした者は、当該届出に係る開発行為の工事を完了したときは、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。工事を廃止したときについても、同様とする。

(平16条例23・追加)

(開発行為に対する命令)

第16条 市長は、防災上特に必要があると認めるときは、当該届出の必要な開発行為の中止、計画の変更、原状の回復等必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

(平16条例23・追加)

(建築における防災)

第17条 建築物を建築する者は、建築基準法その他の法令、条例等を遵守するとともに、災害を防止するための万全の措置を講じなければならない。

(平16条例23・旧第13条繰下)

(建築物の安全保持)

第18条 建築物の所有者、占有者又は管理者(以下「所有者等」という。)は、当該建築物について防災上的確な措置を講じ、常に安全な状態で保持しなければならない。

(平16条例23・旧第14条繰下)

(危険な建築物に対する助言及び勧告)

第19条 市長は、建築物が防災上著しく危険であると認めるときは、当該建築物の所有者等に対し、防災上必要な措置を講ずべきことを助言し、又は勧告することができる。

(平16条例23・旧第15条繰下)

(土地の安全保持)

第20条 土地の所有者等は、当該土地について、切土、盛土若しくは地盤の改良を行い、又は排水施設若しくは擁壁を設置するなど防災上的確な措置を講じ、常に安全な状態で保持しなければならない。

(平16条例23・旧第16条繰下)

(危険な土地に対する助言及び勧告)

第21条 市長は、土地が防災上著しく危険であると認めるときは、当該土地の所有者等に対し、防災上必要な措置を講ずべきことを助言し、又は勧告することができる。

(平16条例23・旧第17条繰下)

(工事施工上の安全措置)

第22条 開発行為を行う者、建築物を建築する者、工事監理者その他工事の施工に従事する者は、災害を防止するため、次の各号に定める措置を講じなければならない。

(1) がけ崩れ及び土砂流失の防止

(2) 建築物の補強

(3) 公共施設の破損の防止

(4) 廃棄物の適切な処理

(5) 前各号に掲げるもののほか、災害を未然に防止する措置

(平16条例23・旧第18条繰下・一部改正)

第5章 避難及び通報

(避難の指示)

第23条 市長は、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、市民の生命又は身体を災害から保護し、その他災害の拡大を防止するために特に必要があると認めるときは、居住者、滞在者その他の者(以下「居住者等」という。)に対し、避難のための立退きを指示することができる。

(平16条例23・旧第19条繰下、令3条例61・一部改正)

(指示に従う義務)

第24条 居住者等は、前条の規定による指示を受けたときは、その指示に従わなければならない。

(平16条例23・旧第20条繰下)

(自主避難)

第25条 居住者等は、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合は、自らの判断により、速やかに避難しなければならない。

(平16条例23・旧第21条繰下)

(市長への通報)

第26条 居住者等は、災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある異常な現象を発見した場合は、その旨を市長又は関係機関に対し、速やかに通報しなければならない。

(平16条例23・旧第22条繰下)

第6章 雑則

(立入調査)

第27条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に開発行為に係る土地、建築物の敷地その他の場所に立ち入り、当該土地、建築物の敷地等の状況を調査させることができる。

2 前項の規定により立入調査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(平16条例23・追加)

(勧告又は命令に従わない者の公表)

第28条 市長は、第12条第2項第19条若しくは第21条の規定による勧告又は第16条の規定による命令を受けた者がその勧告若しくは命令に従わなかつた場合において、特に必要があると認めるときは、その者の氏名及び住所(法人にあつては、その名称及び主たる事務所の所在地)その他必要な事項を公表することができる。

2 市長は、前項の規定による公表を行おうとするときは、当該勧告を受けた者又は命令を受けた者に対して、あらかじめ、その旨を通知し、意見の聴取を行うものとする。

3 市長は、第1項の規定による公表の対象となる勧告又は命令を受けた者の所在が判明しない場合においては、前項の規定による通知を、当該勧告又は命令を受けた者の氏名(法人にあつては名称及び代表者の氏名)、意見の聴取を行う期日及び場所並びに同項の規定による通知の内容を記載した書面をいつでも当該勧告又は命令を受けた者に交付する旨を市役所の掲示場に掲示することによつて行うことができる。この場合においては、掲示を始めた日から2週間を経過したときに、当該通知が当該勧告又は命令を受けた者に到達したものとみなす。

(平16条例23・旧第23条繰下・一部改正)

(委任)

第29条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(平16条例23・旧第24条繰下)

(施行期日)

1 この条例は、昭和52年4月1日から施行する。

(平16条例108・旧付則・一部改正)

(吉田町等の編入に伴う経過措置)

2 吉田町、喜入町、松元町及び郡山町(以下「4町」という。)の編入の日(以下「編入日」という。)前に、吉田町土地利用対策要綱(昭和50年吉田町告示第41号)、喜入町土地利用対策要綱(昭和54年9月1日制定)、松元町土地利用対策要綱(平成4年松元町要綱第3号)及び郡山町開発行為に関する指導要綱(昭和57年郡山町告示第1号)(以下「4町要綱」という。)の規定により土地利用協議書を提出した者に係る開発行為については、この条例の規定にかかわらず、それぞれ4町要綱の例による。

(平16条例108・追加)

3 編入日前に桜島町であつた区域内において、編入の際現に開発行為の工事に着工している開発行為については、第13条から第15条までの規定は、適用しない。

(平16条例108・追加)

4 編入日前に4町の区域内において、平成16年11月15日以前に届出の必要な開発行為の工事に着手する者(前2項に規定する者を除く。)に対する第14条の適用については、同条中「工事に着手しようとする日の2週間以上前の日」とあるのは、「工事に着手する日」とする。

(平16条例108・追加)

(平成16年3月23日条例第23号)

(施行期日)

1 この条例は、平成16年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行前に鹿児島市民の環境をよくする条例を廃止する条例(平成16年条例第13号)による廃止前の鹿児島市民の環境をよくする条例(昭和48年条例第30号)(以下「旧条例」という。)第49条の規定によりされた届出は、改正後の第13条の規定によりされた届出とみなす。

3 旧条例第50条第2項の規定によりされた命令は、改正後の第16条の規定によりされた命令とみなす。

(平成16年10月18日条例第108号)

この条例は、平成16年11月1日から施行する。

(令和3年6月24日条例第61号)

この条例は、公布の日から施行する。

鹿児島市開発行為、建築等における災害の防止に関する条例

昭和52年3月31日 条例第15号

(令和3年6月24日施行)

体系情報
第12類 防/第4章 災害対策
沿革情報
昭和52年3月31日 条例第15号
平成16年3月23日 条例第23号
平成16年10月18日 条例第108号
令和3年6月24日 条例第61号