○鹿児島市宅地開発に関する条例
平成19年3月27日
条例第23号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 事前手続等(第3条―第9条)
第3章 宅地開発許可後の手続等(第10条―第14条)
第4章 公共施設等の基準(第15条―第17条)
第5章 雑則(第18条―第20条)
付則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、都市計画法(昭和43年法律第100号)の規定に基づく開発行為の規制に関する事項、宅地開発に係る事前説明等の手続に関する事項その他宅地開発に関し必要な事項を定めることにより、許可事務の透明性の向上及び適正化を図るとともに、良質な宅地開発を誘導し、もって良好な都市環境の形成に寄与することを目的とする。
(1) 宅地開発 都市計画法第29条に規定する許可又は同法第35条の2に規定する変更許可を要する開発行為及び宅地造成等規制法第8条に規定する許可又は同法第12条に規定する変更許可を要する宅地造成をいう。
(2) 宅地開発区域 宅地開発をする土地の区域をいう。
(3) 隣接住民 宅地開発区域に接する土地の所有者並びに当該土地に存する建築物の所有者、管理者及び居住者をいう。
(4) 近隣住民 宅地開発区域の境界線から水平距離がおおむね50メートルの範囲内の土地の所有者、宅地開発に伴う土砂等の搬出入に係る規則で定める道路に接する土地の所有者、これらの土地に存する建築物の所有者、管理者及び居住者並びに市長が当該宅地開発の工事等により影響があると認める者をいう。
第2章 事前手続等
(計画上の配慮事項)
第3条 前条第1号に規定する許可又は変更許可(以下「宅地開発許可」という。)を受けようとする者(以下「開発予定者」という。)は、宅地開発を計画するに当たり、自然環境の保全及び周辺の生活環境への配慮を行うよう努めなければならない。
2 開発予定者は、宅地開発を計画するに当たり、宅地開発区域の周辺における井戸の枯渇、水位の低下等の地下水への障害が生じないよう努めなければならない。
(事前協議)
第4条 開発予定者は、宅地開発を行おうとする場合は、円滑かつ確実な宅地開発を進めるため、あらかじめ必要な事項について関係者との調整を行うとともに、公共施設等の用に供する土地等の配置、整備、管理等について市長と協議しなければならない。
(地区計画等に関する協議)
第5条 開発予定者は、規則で定める基準に該当する宅地開発を行おうとする場合は、都市計画法第12条の4第1項に規定する地区計画等について、あらかじめ市長と協議しなければならない。
(宅地開発予定標識の設置)
第6条 開発予定者は、都市計画法第32条の規定に基づく協議又は宅地造成等規制法第8条の規定に基づく宅地造成に関する工事の許可の申請(以下「宅造許可申請」という。)を行う日の14日前までに、規則で定めるところにより、当該宅地開発の計画を記載した宅地開発予定標識を、当該宅地開発区域内の公衆の見やすい場所に設置しなければならない。
2 前項の宅地開発予定標識の設置期間は、設置した日から当該宅地開発の工事に着手する日までとする。
(宅地開発の計画の周知)
第7条 開発予定者は、宅地開発予定標識を設置した日から都市計画法第32条の規定に基づく協議又は宅造許可申請の日までの間に、説明会その他の方法(以下「説明会等」という。)により、当該宅地開発の計画の内容について、規則で定める事項を隣接住民に周知させなければならない。
2 開発予定者又は宅地開発許可を受けた者(都市計画法第44条又は第45条の規定により開発許可に基づく地位を承継した者を含む。以下「開発者」という。)は、宅地開発予定標識設置後、近隣住民から申出があったときは、説明会等により、当該宅地開発の計画の内容について、当該申出をした近隣住民に説明しなければならない。
(説明会等の報告)
第8条 開発予定者は、前条第1項の規定により行った説明会等の内容について、規則で定める事項を記載した報告書を都市計画法第32条の規定に基づく協議又は宅造許可申請と同時に市長に提出しなければならない。
2 市長は、必要があると認めるときは、開発予定者又は開発者に対し、前条第2項の規定により行った説明会等の内容及び当該申出への対応について、報告を求めることができる。
(宅地開発に係る紛争解決の努力)
第9条 開発予定者又は開発者と住民とは、宅地開発に係る紛争が生じたときは、相互の立場を尊重し、互譲の精神をもって自主的に解決するよう努めなければならない。
第3章 宅地開発許可後の手続等
(宅地開発許可標識の設置)
第10条 開発者は、宅地開発の工事に着手した日から完了する日までの間、規則で定めるところにより、当該宅地開発区域内の公衆の見やすい場所に当該宅地開発許可の概要を記載した宅地開発許可標識を設置しなければならない。
(緊急時の対応)
第11条 開発者は、宅地開発の工事の施工に伴い、災害が発生し、又は他に危険を及ぼすおそれが生じたときは、直ちに必要な応急処置を講じなければならない。
2 開発者は、前項の規定により応急処置を講じたときは、規則で定めるところにより、直ちにその災害の状況及び当該応急処置の内容を市長に報告しなければならない。
(工事施工時の配慮事項)
第12条 開発者は、宅地開発の工事の施工に伴う宅地開発区域からの排水、騒音、振動、粉じん等により、周囲に悪影響を及ぼすことのないよう努めなければならない。
(防災措置の実施)
第13条 開発者は、宅地開発を廃止し、又は休止しようとするときは、既に施工された宅地開発の工事によって災害が発生し、宅地開発区域及びその周辺の住民に対し、被害を及ぼすことのないよう、必要な防災措置を講じなければならない。
2 開発者は、前項の規定により防災措置を講じたときは、規則で定めるところにより、速やかに当該防災措置の内容を市長に報告しなければならない。
(進行管理)
第14条 市長は、宅地開発の工事の完了の予定期日が経過してもなお工事が完了していない宅地開発については、必要があると認めるときは、当該宅地開発に係る開発者、設計者、工事施行者その他の関係者から、当該宅地開発の工事の進捗状況及び続行の意思の有無その他必要な事項の報告を求めることができる。
2 市長は、宅地開発許可を受けた日から10年を経過してもなお工事が完了していない宅地開発であって、開発者に当該宅地開発の工事を完了させる意思又は能力がないと認められるものについては、当該宅地開発許可を取り消すことができる。
第4章 公共施設等の基準
(道路に関する技術的細目)
第15条 都市計画法第33条第1項第2号の基準に係る技術的細目において、道路に関して定められた制限のうち、小区間で通行上支障がない場合における予定建築物等の敷地に接するように配置すべき道路の幅員の最低限度は、同条第3項の規定により、5メートル以上とする。
2 都市計画法第33条第1項第2号の基準に係る技術的細目において、道路に関して定められた制限のうち、開発区域内の道路の構造は、同条第3項の規定により、アスファルト・コンクリート舗装とする。ただし、安全かつ円滑な交通に支障がないと市長が認める場合は、この限りでない。
(公園等に関する技術的細目)
第16条 都市計画法第33条第1項第2号の基準に係る技術的細目において、公園、緑地又は広場(以下「公園等」という。)に関して定められた制限のうち、開発区域の面積が0.3ヘクタール以上5ヘクタール未満の開発行為であって、主として住宅の建築の用に供する目的で行うものについては、同条第3項の規定により、施設の種類は公園とする。ただし、開発区域周辺の公園の整備状況等により、その必要がないと市長が認める場合は、この限りでない。
2 都市計画法第33条第1項第2号の基準に係る技術的細目において、公園等に関して定められた制限のうち、市街化調整区域内での開発行為であって、開発区域の面積が0.3ヘクタール以上5ヘクタール未満の主として住宅の建築の用に供する目的で行うものにおいて設置すべき公園等の面積は、同条第3項の規定により、当該開発区域の面積の6パーセント以上とする。
(排水施設の設置)
第17条 開発者は、市街化調整区域内において、0.3ヘクタール以上の宅地開発を行う場合は、防災調整池を設置するものを除き、雨水流出抑制施設(宅地開発に伴い増加する雨水の流出量を抑制し、下流の河川等の負担の軽減を目的として設置する施設をいう。)を設置しなければならない。ただし、宅地開発区域及びその周辺の土地の地形又は地質の状況により、その必要がないと市長が認める場合は、この限りでない。
第5章 雑則
(勧告に従わない者の公表)
第19条 市長は、前条の規定による勧告を受けた者が正当な理由なくこれに従わないときは、当該勧告を受けた者の住所(法人にあっては、主たる事務所の所在地)、氏名(法人にあっては、名称及び代表者の氏名)及びその内容を公表することができる。
2 市長は、前項の規定による公表を行おうとするときは、当該勧告を受けた者に対し、あらかじめ、その旨を通知し、意見の聴取を行うものとする。
(委任)
第20条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
付則
(施行期日)
1 この条例は、平成19年10月1日から施行する。