○鹿児島市客引き行為等の禁止に関する条例

令和5年8月23日

条例第42号

(目的)

第1条 この条例は、公共の場所における客引き行為等の禁止に関し必要な事項を定めることにより、市民等、事業者等及び地域団体と連携して、公共の場所を快適に通行し、又は利用することができる環境の形成を図り、もって安心で安全な地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 公共の場所 道路、公園、広場、駅その他の不特定の者が通行し、又は利用する場所であって、公共の用に供されるものをいう。

(2) 客引き行為等 客引き行為、客待ち行為、勧誘行為及び勧誘待ち行為をいう。

(3) 客引き行為 通行人その他不特定の者の中から相手方を特定して、客となるように誘う行為をいう。

(4) 客待ち行為 客引き行為をする目的で、相手方となるべき者を待つ行為をいう。

(5) 勧誘行為 通行人その他不特定の者の中から相手方を特定して、役務に従事するよう勧誘する行為をいう。

(6) 勧誘待ち行為 勧誘行為をする目的で、相手方となるべき者を待つ行為をいう。

(7) 市民等 市内に居住し、若しくは滞在し、又は勤務し、若しくは通学する者をいう。

(8) 事業者等 事業(その準備行為を含む。)を営む個人及び法人その他の団体(以下「事業者」という。)又はその従業員をいう。

(9) 地域団体 市内に存する町内会、商店街振興組合その他の地域活動を行う団体をいう。

(市の責務)

第3条 市は、この条例の目的を達成するため、客引き行為等の禁止に関する市民等及び事業者等の意識の啓発その他の必要な施策を推進するものとする。

2 市は、前項の施策の推進に当たっては、警察その他の関係機関及び地域団体との連携を図り、必要な協力を求めるものとする。

(市民等及び事業者等の責務)

第4条 市民等及び事業者等は、本市が実施する客引き行為等の禁止に関する施策に協力するよう努めるものとする。

2 事業者は、客引き行為等の禁止に関し、従業員への指導、監督等を行うよう努めるものとする。

(禁止区域における地域団体の責務等)

第5条 次条に規定する禁止区域を活動の範囲に含む地域団体は、巡回、啓発その他の客引き行為等を行わせないための自主的な取組を推進するよう努めるものとする。

2 市長は、前項の地域団体のうち、客引き行為等を行わせないための自主的な取組を推進すると認める団体に対し、必要な支援を行うことができる。

(客引き行為等禁止区域)

第6条 市民等が公共の場所を快適に通行し、又は利用することができる環境を形成するため特に必要があると認める区域として、別表に定める区域を、客引き行為等禁止区域(以下「禁止区域」という。)とする。

(禁止区域内における客引き行為等の禁止)

第7条 何人も、禁止区域内において客引き行為等をし、又はさせてはならない。

(客引き行為を用いた営業の禁止)

第8条 事業者等は、前条の規定に違反する客引き行為をした者又は当該客引き行為に関係のある者から紹介を受けて、当該客引き行為を受けた者を客として当該事業者等の店舗に立ち入らせてはならない。

(指導)

第9条 市長は、前2条の規定に違反する行為(以下「違反行為」という。)をしていると認める者に対し、当該違反行為をしてはならない旨を指導することができる。

(警告)

第10条 市長は、前条の指導を受けた者が更に当該指導に係る違反行為をしていると認めるときは、その者に対し、当該違反行為を中止するよう警告することができる。

(命令)

第11条 市長は、前条の警告を受けた者が更に当該警告に係る違反行為をしていると認めるときは、その者に対し、当該違反行為を中止するよう命ずることができる。

(報告の徴収)

第12条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、客引き行為等を行い、若しくは行わせた者又はその疑いがある者に対し、必要な報告を求めることができる。

(立入調査等)

第13条 市長は、第9条の規定による指導、第10条の規定による警告及び第11条の規定による命令を行うに当たって必要があると認めるときは、職員に、違反行為をした者の店舗等に立ち入り、当該違反行為の事実及び当該違反行為をした者の特定のために必要な調査を行わせ、又は関係者に質問をさせること(以下「立入調査等」という。)ができる。

2 立入調査等をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 立入調査等の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(公表)

第14条 市長は、第11条の規定による命令を受けた者が当該命令に従わないときは、次に掲げる事項を公表することができる。

(1) 当該命令を受けた者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

(2) 公表の原因となる事実

(3) 前2号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項

2 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該公表の対象となる者に、あらかじめ、意見を述べる機会を与えなければならない。

(土地等の所有者等への通知)

第15条 市長は、前条第1項の規定による公表をする場合であって、当該公表の対象となる者の業務の用に供するための土地又は建物(これらの一部を含む。)を貸与する者(転貸する者を含む。)があるときは、当該土地又は建物の所有者又は管理者に対し、公表をする事項を通知することができる。

(関係機関への情報提供)

第16条 市長は、この条例の目的を達成するために必要があると認めるときは、違反行為をした者に関する情報その他の客引き行為等に関する情報を、警察その他の関係機関に対し、提供することができる。

(関係行政機関等への協力要請)

第17条 市長は、この条例の目的を達成するために必要があると認めるときは、関係行政機関又は関係団体に対し、情報の提供、助言その他の必要な協力を求めることができる。

(委任)

第18条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(罰則)

第19条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の過料に処する。

(1) 第11条の規定による命令に違反した者

(2) 第12条の報告をせず、又は虚偽の報告をした者

(3) 第13条第1項の規定による調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の質問に対し陳述せず、若しくは虚偽の陳述をした者

(両罰規定)

第20条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関して前条に規定する行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同条の過料を科する。

この条例は、令和5年10月1日から施行する。

別表(第6条関係)

禁止区域

千日町及び山之口町の全部並びに呉服町1番から3番まで、船津町1番から3番まで、東千石町1番から18番まで、樋之口町1番、2番及び10番、中町1番から3番まで並びに西千石町16番及び17番並びにこれらに隣接する道路の区域

鹿児島市客引き行為等の禁止に関する条例

令和5年8月23日 条例第42号

(令和5年10月1日施行)