○鹿児島市保存樹等及び自然環境保護地区に関する条例

平成16年3月23日

条例第11号

(目的)

第1条 この条例は、鹿児島市環境基本条例(平成16年条例第10号。以下「基本条例」という。)の基本理念にのっとり、保存樹、保存樹林及び自然環境保護地区の指定に関し必要な事項を定めることにより、自然環境を保護し、人と自然との共生に関する意識の高揚を図ることを目的とする。

(保存樹等の指定)

第2条 市長は、市民に親しまれている樹木又は樹林で規則で定める基準に該当するものを保護する必要があると認めるときは、その所有者(占有者及び管理者を含む。以下同じ。)の同意を得て、保存樹又は保存樹林(以下「保存樹等」という。)に指定することができる。

2 樹木又は樹林の所有者は、市長に対し、保存樹等の指定を申請することができる。

3 市長は、保存樹等の指定をしようとするときは、あらかじめ専門家の意見を聴くものとする。

(保存樹等の標識の設置)

第3条 市長は、保存樹等の指定をしたときは、当該保存樹等の所在する土地にその旨を表示する標識を設置するものとする。

2 保存樹等の所有者は、正当な理由がなく前項に規定する標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

3 何人も、第1項の規定により設置された標識をき損し、若しくは汚損し、又は市長の承諾を得ないで移転し、若しくは除去してはならない。

(保存樹等の指定の解除又は変更)

第4条 市長は、保存樹等が滅失、枯死等により指定の理由が消滅したときは、指定を解除するものとする。

2 市長は、公益上の理由その他特別な理由があるときは、保存樹等の指定の解除又は変更をすることができる。

3 保存樹等の所有者は、市長に対し、前項に規定する指定の解除又は変更を申請することができる。

4 市長は、保存樹等の指定の解除又は変更をしようとするときは、専門家の意見を聴くことができる。

(保存樹等の保護義務)

第5条 保存樹等の所有者は、当該保存樹等の枯死及び損傷の防止その他その保護に努めなければならない。

2 何人も、保存樹等を良好な状態で保護するために協力しなければならない。

(保存樹等に係る届出)

第6条 保存樹等の所有者は、次の各号のいずれかに該当するときは、遅滞なく(第5号に該当するときは、あらかじめ)その旨を市長に届け出るものとする。

(1) 保存樹等が滅失し、又は枯死したとき。

(2) 保存樹等が損傷したとき。

(3) 保存樹等の生育に影響を及ぼす病害虫等が発生したとき。

(4) 保存樹等について、災害を防止するために緊急に必要な措置を講じたとき。

(5) 保存樹等の態様を著しく変更するような伐採又は生育に影響を及ぼすおそれのある行為をしようとするとき。

(保存樹等の所有者に対する指導)

第7条 市長は、保存樹等の指定の目的を達成するため必要があると認めるときは、その所有者に対し、必要な措置を講ずべきことを指導することができる。

(保護地区の指定)

第8条 市長は、良好な自然環境を有する山林、渓谷、池沼等又は歴史的及び文化的遺産をとりまく自然環境のすぐれた地区を保護する必要があると認めるときは、その所有者の同意を得て、自然環境保護地区(以下「保護地区」という。)に指定することができる。

2 市長は、保護地区の指定をしようとするときは、あらかじめ、基本条例第23条に規定する鹿児島市環境審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴くものとする。

(保護地区の標識の設置)

第9条 市長は、保護地区の指定をしたときは、当該保護地区内にその旨を表示する標識を設置するものとする。

2 保護地区の所有者は、正当な理由がなく前項に規定する標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

3 何人も、第1項の規定により設置された標識をき損し、若しくは汚損し、又は市長の承諾を得ないで移転し、若しくは除去してはならない。

(保護地区の指定の解除又は変更)

第10条 市長は、公益上の理由その他特別な理由があるときは、保護地区の指定の解除又は変更をすることができる。

2 市長は、保護地区の指定の解除又は変更をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴くものとする。

(保護地区の保護義務)

第11条 保護地区の所有者は、当該保護地区内の動植物等の自然環境が良好に保護されるよう努めなければならない。

2 何人も、保護地区内において、ごみ等を捨て、又はみだりに動植物を採取し、若しくは損傷する等の良好な自然環境を損なう行為を行ってはならない。

(保護地区内での行為の届出)

第12条 保護地区内において、次に掲げる行為を行おうとする者は、当該行為を行う日の30日前までに(災害を防止するために緊急に行った者にあっては、遅滞なく)その旨を市長に届け出なければならない。

(1) 建築物その他の工作物を新築し、改築し、増築し、又は移転すること。

(2) 宅地の造成、土地の開墾その他土地の形質を変更すること。

(3) 木竹を伐採すること。

(4) 土石類を採取すること。

(5) 広告物その他これに類するものを掲出し、又は設置すること。

(6) 水面を埋め立て、又は干拓すること。

(7) 前各号に掲げるもののほか、保護地区の保護に影響を及ぼすおそれのある行為で、規則で定めるもの

2 保護地区が指定され、又はその区域が拡張された際、当該保護地区内において前項各号に掲げる行為に着手している者は、遅滞なく市長に届け出なければならない。

(保護地区内での行為に係る指導)

第13条 市長は、保護地区の指定の目的を達成するため必要があると認めるときは、前条第1項各号に掲げる行為を行う者又は行った者に対し、必要な措置を講ずべきことを指導することができる。

(保護地区内での行為に係る命令)

第14条 市長は、保護地区内において、第12条第1項各号に掲げる行為のうち当該保護地区の保護上重大な支障を及ぼすと認める行為を行う者又は行った者に対し、当該行為の中止、原状回復等必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

(支援)

第15条 市長は、保存樹等及び保護地区の所有者に対し、その保護を図るため、必要な助言をし、又は予算の範囲内で助成を行うことができる。

(報告)

第16条 市長は、この条例の施行に必要があると認めるときは、保存樹等及び保護地区の所有者又は関係者に対し、その現況等を報告させることができる。

(立入調査)

第17条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に保存樹等の所在する土地、保護地区内の土地その他の場所に立ち入り、状況を調査させることができる。

2 前項の規定により立入調査を行う職員は、その身分を証する証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(委任)

第18条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(罰則)

第19条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の過料に処する。

(1) 第12条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

(2) 第14条の規定による命令に違反した者

(3) 第17条第1項の規定による立入調査を拒み、妨げ、又は忌避した者

(施行期日)

1 この条例は、平成16年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行前に、鹿児島市民の環境をよくする条例を廃止する条例(平成16年条例第13号)による廃止前の鹿児島市民の環境をよくする条例(昭和48年条例第30号)の規定によりされた指定、命令、届出等は、それぞれこの条例の相当規定によりされたものとみなす。

(鹿児島市屋外広告物条例の一部改正)

3 鹿児島市屋外広告物条例(平成8年条例第4号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

鹿児島市保存樹等及び自然環境保護地区に関する条例

平成16年3月23日 条例第11号

(平成16年4月1日施行)