○鹿児島市安心安全まちづくり条例
平成17年10月4日
条例第80号
私たちの愛するまち鹿児島の先人たちは、高い志をもち、たゆみない努力を重ねて、穏やかで潤いのある美しいまちをつくり、次代を担う子どもたちを地域みんなで育てるという伝統を、私たちに残してくれた。そして、私たちはそれを誇りにしてきた。
鹿児島のまちは、世界有数の活火山桜島を有するとともに、台風の常襲地域にあり、集中豪雨にもたびたび見舞われるなど、自然災害を受けやすい土地柄にある。
また、社会環境が大きく変化する中、犯罪や事故に対する不安は身近なものとなり、私たちの安全で平穏な生活は脅かされつつある。
加えて、価値観や生活様式の多様化により、地域社会の連帯意識も薄まりつつある。
今こそ、私たちのまちを、暮らしを、生命を、私たち自身で守るために、すべての市民が力を合わせて、安心して暮らすことのできる安全なまちを築いていかなければならない。そして、それを次の世代に引き継いでいかなければならない。
ここに、私たちの鹿児島市を、誰もが誇りと愛着をもって安心して暮らすことのできる安全なまちとして構築していく決意を込めて、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、犯罪、事故及び自然災害(以下「犯罪等」という。)を未然に防止し、市民みんなが安心して暮らすことのできる安全なまちづくり(以下「安心安全なまちづくり」という。)について、基本理念並びに市、市民等及び事業者の責務を定め、それぞれが連携し、及び協力することにより、安心して暮らすことのできる安全な地域社会の実現を図ることを目的とする。
(1) 市民等 市内に住所を有し、滞在し、通勤し、又は通学する者及び市内に所在する土地又は建物その他の工作物を所有し、占有し、又は管理する者をいう。
(2) 事業者 市内で商業、工業その他の事業を営むものをいう。
(基本理念)
第3条 安心安全なまちづくりは、市、市民等及び事業者が、自らの安全は自ら守るとともに地域の安全は地域で守るという基本認識のもとに、それぞれの役割を担い、密接な連携を図りながら協働することにより、行われなければならない。
2 安心安全なまちづくりは、市、市民等及び事業者が、地域の安全の確保に関する自主的な活動(以下「地域安全まちづくり活動」という。)を実践するための環境を醸成し、地域安全まちづくり活動を効果的に推進することにより、行われなければならない。
3 安心安全なまちづくりは、犯罪等から得た教訓及び経験が日常生活の中で生かされ、次世代に継承されるよう行われなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、安心安全なまちづくりを推進するために必要な施策(以下「安心安全なまちづくり施策」という。)を策定し、及び実施しなければならない。
2 市は、安心安全なまちづくり施策を策定し、及び実施するに当たっては、市民等及び事業者の意見を積極的に反映するよう努めなければならない。
3 市は、安心安全なまちづくり施策を策定し、及び実施するに当たっては、警察その他の関係行政機関及び関係団体(以下「関係行政機関等」という。)と常に密接な連携を図るよう努めなければならない。
(市民等の責務)
第5条 市民等は、安心安全なまちづくりのために、その所有し、占有し、又は管理する土地又は建物その他の工作物を適正に管理するとともに、安心安全なまちづくりに関する知識及び技術を習得し、日常生活における自らの安全の確保に努めなければならない。
2 市民等は、互いに協力して地域安全まちづくり活動の推進に努めるとともに、市が実施する安心安全なまちづくり施策に協力するよう努めなければならない。
3 市民等は、犯罪等の発生時においては、被害者の救助、関係行政機関等への通報を行う等安全確保のための適切な措置を講ずるよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、市民等の安全に十分配慮して、その所有し、占有し、又は管理する土地又は建物その他の工作物を適正に管理するとともに、その事業活動を行うに当たっては、安心安全なまちづくりのために必要な措置を講じなければならない。
2 事業者は、その従業員に、安心安全なまちづくりに関する知識及び技術を習得させるよう努めなければならない。
3 事業者は、地域と協力して地域安全まちづくり活動の推進に努めるとともに、市が実施する安心安全なまちづくり施策に協力するよう努めなければならない。
4 事業者は、犯罪等の発生時においては、被害者の救助、関係行政機関等への通報を行う等安全確保のための適切な措置を講ずるよう努めなければならない。
(援護を必要とする者への配慮)
第7条 市は、安心安全なまちづくり施策を策定し、及び実施する場合においては、特に、援護を必要とする高齢者、障害者、子ども、犯罪被害者等に配慮するものとする。
(広報啓発活動)
第8条 市は、安心安全なまちづくりに関する市民等及び事業者の関心及び理解を深めるため、必要な情報の提供その他広報啓発活動を行うものとする。
(環境の整備)
第9条 市は、安心安全なまちづくりを推進するため、犯罪等の防止に配慮した環境の整備に努めるものとする。
(人材の育成)
第10条 市は、安心安全なまちづくりを推進するために必要な人材の育成に努めるものとする。
(支援)
第11条 市は、安心安全なまちづくりを推進するため必要があると認めるときは、地域安全まちづくり活動を行う者に対し、助言及び支援を行うものとする。
(推進会議)
第12条 市は、安心安全なまちづくりを総合的に推進するため、鹿児島市安心安全まちづくり推進会議(以下「推進会議」という。)を置く。
2 推進会議は、安心安全なまちづくりの推進に関する基本的な事項について、市長の諮問に応じるほか、市長に対し、必要な意見を述べることができる。
3 推進会議は、委員20人以内をもって組織する。
4 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱し、又は任命する。
(1) 学識経験者
(2) 関係団体の代表者
(3) 市内に居住する満18歳以上の者で公募に応じたもの
(4) 行政機関の職員
5 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 委員は、再任されることができる。
7 推進会議に会長及び副会長を置き、委員の互選により定める。
8 前各項に定めるもののほか、推進会議の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(令4条例15・一部改正)
付則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(鹿児島市報酬及び費用弁償条例の一部改正)
2 鹿児島市報酬及び費用弁償条例(昭和42年条例第27号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
付則(令和4年3月22日条例第15号)
この条例は、令和4年4月1日から施行する。