○鹿児島市男女共同参画推進条例
平成26年3月18日
条例第5号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第9条)
第2章 男女共同参画の推進に関する基本的施策(第10条―第17条)
第3章 男女共同参画審議会(第18条)
付則
男女が互いの人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会は、私たちが目指す社会である。
この男女共同参画社会を実現するため、鹿児島市においては、男女共同参画社会基本法に基づいて男女共同参画計画を策定し、総合的かつ体系的な取組を進めてきた。
しかし、性別による固定的な役割分担意識は根強いものがあり、とりわけ、慣習やしきたりの中には男女間に不平等があると多くの市民が感じているほか、配偶者等に対する暴力が社会問題化するなど、解決しなければならない課題が残されている。
また、少子高齢化の進行、家族形態や地域社会の変化等の社会経済情勢の変化に対応するためには、男性も女性も、意欲に応じて、地域や職場等のあらゆる分野、あらゆる機会において、ともに参画し活躍できる男女共同参画社会の実現が重要である。
このような状況を踏まえ、ここに私たちは、男女共同参画の更なる推進を決意し、男女共同参画の基本理念を定め、誰もが安心していきいきと暮らせる豊かで活力ある鹿児島市を創るため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、市、市民、事業者、市民団体及び教育に携わる者の役割を明らかにするとともに、男女共同参画の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し、男女共同参画社会の実現に寄与することを目的とする。
(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって、家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野(以下「社会のあらゆる分野」という。)における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。
(2) 市民 市内に住所を有し、通勤し、又は通学する者をいう。
(3) 事業者 市内に事務所又は事業所を有し、事業を営む個人又は法人その他の団体をいう。
(4) 市民団体 主たる構成員が市民又は事業者である営利を目的としない団体をいう。
(基本理念)
第3条 男女共同参画は、次に掲げる基本理念に基づいて推進されなければならない。
(1) 男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的な取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されること。
(2) 社会の制度又は慣行が、性別による固定的な役割分担等を反映して、男女の社会における活動の選択に対して影響を及ぼすことのないよう配慮されること。
(3) 男女が、社会の対等な構成員として、社会のあらゆる分野で方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されること。
(4) 男女が、相互に協力し、かつ、社会の支援を受け、子育て、家族の介護その他の家庭生活における活動と職場、学校、地域その他の社会における活動とを両立できるよう配慮されること。
(5) 男女共同参画の推進が国際社会における取組と密接な関係を有していることから、国際的協調の下に行われること。
(市の役割)
第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施しなければならない。
2 市は、男女共同参画の推進に当たっては、市民、事業者、市民団体及び教育に携わる者(以下「市民等」という。)と協働するよう努めるとともに、国及び他の地方公共団体と連携して取り組むものとする。
3 市は、男女共同参画の推進に当たり、必要な体制を整備するとともに、財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
4 市は、あらゆる施策を策定し、及び実施するに当たっては、男女共同参画の推進に配慮するものとする。
(市民の役割)
第5条 市民は、社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に努めるものとする。
2 市民は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第6条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に努めるものとする。
2 事業者は、男女が共に仕事と生活の調和を図ることができるよう職場環境の整備に努めるものとする。
3 事業者は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(市民団体の役割)
第7条 市民団体は、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に努めるものとする。
2 市民団体は、その活動に関し、方針の決定、計画の立案等において男女が共に参画する機会を確保するよう努めるものとする。
3 市民団体は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(教育に携わる者の役割)
第8条 家庭教育、学校教育及び社会において行われる教育に携わる者は、基本理念に配慮して教育を行うよう努めるものとする。
(男女共同参画を阻害する行為の禁止)
第9条 何人も、次に掲げる男女共同参画を阻害する行為を行ってはならない。
(1) 社会のあらゆる分野における性別による差別的取扱い
(2) 社会のあらゆる分野における性的な言動により他人を不快にさせる行為
(3) 配偶者等(配偶者及び婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者並びに交際相手をいう。)に対して身体的又は精神的な苦痛を与える行為
第2章 男女共同参画の推進に関する基本的施策
(男女共同参画計画)
第10条 市長は、男女共同参画の推進に関する施策についての基本的な計画(以下「男女共同参画計画」という。)を定めなければならない。
2 市長は、男女共同参画計画を定めるに当たり、市民の意見の反映に努めるとともに、第18条に規定する鹿児島市男女共同参画審議会の意見を聴かなければならない。
3 市長は、男女共同参画計画を定めたときは、これを公表しなければならない。
4 前2項の規定は、男女共同参画計画の変更について準用する。
(市民等の理解を深めるための措置)
第11条 市は、男女共同参画の推進に関する市民等の理解を深めるため、広報啓発を行うとともに、教育及び学習の充実に努めるものとする。
(市民等に対する支援)
第12条 市は、市民等の男女共同参画の推進に関する活動を促進するため、情報の提供その他の必要な支援を行うものとする。
(仕事と生活の調和の推進)
第13条 市は、男女が共に仕事と生活の調和を図ることができるよう情報の提供その他の必要な支援を行うよう努めるものとする。
(調査研究等)
第14条 市は、男女共同参画を推進するため、必要な調査研究及び情報収集に努めるものとする。
(拠点施設)
第15条 市は、鹿児島市男女共同参画センター(鹿児島市男女共同参画センター条例(平成12年条例第67号)に基づき設置された施設をいう。)を男女共同参画を推進するための拠点施設とする。
(市民等の申出への対応)
第16条 市は、市が実施する施策に関し、男女共同参画の推進に影響を及ぼすものとして、市民等からの申出があったときは、適切に処理するよう努めるものとする。
2 市は、性別による差別的取扱いその他の男女共同参画を阻害する行為に関し、市民等からの申出があったときは、関係機関と連携し、適切に対応するよう努めるものとする。
(年次報告)
第17条 市長は、毎年、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について報告書を作成し、これを公表するものとする。
第3章 男女共同参画審議会
(男女共同参画審議会)
第18条 市は、男女共同参画に関する施策を総合的に推進するため、鹿児島市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会の所掌事項は、次に掲げるとおりとする。
(1) 男女共同参画計画に関し、第10条第2項に規定する事項を処理すること。
(2) 市長の諮問に応じ、男女共同参画の推進に関する重要事項を調査審議すること。
(3) その他市長が必要と認める事項
3 審議会は、前項各号に規定する事項に関し、調査審議し、必要があると認めるときは、市長に対し、意見を述べることができる。
4 審議会は、委員20人以内をもって組織する。
5 男女いずれか一方の委員の数は、委員の総数の10分の4未満とならないよう努めるものとする。
6 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱する。
(1) 学識経験者
(2) 市内に居住する満18歳以上の者で公募に応じたもの
(3) 行政機関の職員
(4) その他市長が必要と認める者
7 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
8 委員は、再任されることができる。
9 審議会に会長及び副会長を置き、委員の互選により定める。
10 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(令4条例15・一部改正)
付則
(施行期日)
1 この条例は、平成26年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際現に男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号)第14条第3項の規定により定められている本市の男女共同参画計画は、第10条第1項の規定により定められた男女共同参画計画とみなす。
(鹿児島市報酬及び費用弁償条例の一部改正)
3 鹿児島市報酬及び費用弁償条例(昭和42年条例第27号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
付則(令和4年3月22日条例第15号)
この条例は、令和4年4月1日から施行する。