○鹿児島市長の政治倫理に関する条例
平成29年12月22日
条例第42号
(目的)
第1条 この条例は、市政が市民の厳粛な信託によるものであることに鑑み、その受託者である市長の政治倫理に関する規律の基本となる事項を定めることにより、市政に対する市民の信頼を確保し、もって公正で開かれた民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。
(市長及び市民の責務)
第2条 市長は、市民全体の代表者として、市政に携わる権能、責務及び倫理性を深く自覚し、地方自治の本旨に従って、その使命の達成に努めなければならない。
2 市民は、主権者として市政を担い、公共の利益を実現する自覚を持ち、市長に対し、その権限又は地位の影響力を不正に行使させるような働きかけをしてはならない。
(政治倫理基準)
第3条 市長は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1) 市民全体の代表者として、その品位や名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し、市民から不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。
(2) 常に市民全体の利益を図ることをその指針として行動するものとし、その地位を利用して金品を授受しないこと。
(3) 政治活動に関し、政治的又は道義的に批判を受けるおそれのある寄附を受けないこと。その資金管理団体についても、同様とする。
(4) 市が行う許認可等の処分その他これらに類する行為又は市が行う売買、貸借、請負等の契約に関し、特定の者に有利又は不利な取扱いをしないこと。
(5) 職員の公正な職務の執行を妨げ、又はその職権を不正に行使するよう働きかけないこと。
2 市長は、前項の政治倫理基準(以下「政治倫理基準」という。)に違反するとの疑いを持たれたときは、自ら誠実な態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならない。
(市民の調査請求権)
第4条 市民は、市長が政治倫理基準に違反する疑いがあると思料するときは、規則で定めるところにより、有権者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第74条第5項に規定する選挙権を有する者をいう。)の総数の100分の1以上の者の連署をもって、その代表者(以下「請求代表者」という。)から市長に対し、政治倫理基準に違反する疑いがあることを証する資料を添えて、調査を請求することができる。
3 審査会は、前項の規定による諮問を受けたときは、速やかに調査を行い、その結果を記載した答申書を作成し、これを市長に提出しなければならない。
4 市長は、前項の答申書の提出を受けたときは、速やかにその写しを請求代表者に送付するとともに、その要旨を公表しなければならない。
(政治倫理審査会)
第5条 前条第2項の規定に基づき市長から諮問を受けた事項について調査審議するため、鹿児島市政治倫理審査会を置く。
2 審査会は、委員5人以内をもって組織する。
3 委員は、学識経験を有する者のうちから市長が委嘱する。
4 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、審査会の委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 委員は、職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その者が委員でなくなった後も、同様とする。
6 審査会は、調査及び審議を行うため必要があると認めるときは、関係者から意見若しくは説明を聴き、又は資料の提出を求めることができる。
7 審査会の会議は、公開するものとする。ただし、審査会が特に必要と認めるときは、非公開とすることができる。
(市長の協力義務)
第6条 市長は、審査会の要求があるときは、審査に必要な資料を提出し、又は会議に出席して意見を述べ、若しくは説明をしなければならない。
(職務関連犯罪による有罪判決宣告後における釈明)
第7条 市長は、刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4までに定める罪、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)第1条に定める罪その他職務に関連する犯罪により有罪判決の宣告を受け、なお引き続きその職にとどまろうとするときは、市民に対する説明会を開かなければならない。この場合において、市長は、説明会に出席し、釈明しなければならない。
2 前項の説明会において、市民は、市長に質問することができる。
3 第1項に定める説明会の開催の手続その他運営に関し必要な事項は、市長が定める。
(職務関連犯罪による有罪判決確定後の措置)
第8条 市長が前条の有罪判決の宣告を受け、その判決が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定により失職する場合を除き、市長は、その名誉と品位を守り、市民の信頼を回復するために必要と認められる措置を講じなければならない。
付則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(鹿児島市報酬及び費用弁償条例の一部改正)
4 鹿児島市報酬及び費用弁償条例(昭和42年条例第27号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略