○鹿児島市消防救急業務規程

平成27年7月31日

消防局訓令第11号

鹿児島市消防救急業務規程(平成6年消防局訓令第2号)の全部を改正する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)に定める救急業務の実施に関し必要な事項を定め、救急隊員の安全確保、救急業務の効果的・効率的な運用を図ることを目的とする。

第2章 通常救急業務

(業務の実施)

第2条 救急業務を行うため、救急隊及び高度救急隊(以下「救急隊等」という。)を置く。

2 救急隊は、法第2条第9項に定める業務を行うものとする。

3 高度救急隊は、前項に定める業務のうち、重篤な傷病者に対し高度な救急医療を行うものとする。

4 前2項に掲げるもののほか、救急業務に関し必要な事項は別に定める。

(救急隊の編成)

第3条 救急隊は、救急自動車1台につき救急隊員3人以上をもって救急小隊を編成する。

2 救急小隊は、小隊長、機関員及び隊員をもって編成する。ただし、小隊長が機関員を兼務する場合は、小隊長及び隊員をもって編成する。

(高度救急隊の編成)

第3条の2 高度救急隊は、高規格救急自動車1台に救急隊員3人以上、医師及び看護師をもって編成する。

2 前項の高度救急隊の救急隊員は、高度救急隊長、機関員及び隊員をもって編成するものとし、その他必要な事項は別に定める。

(代行者の指定)

第4条 消防署長及び救急課長(以下「署長等」という。)は、小隊長又は高度救急隊長(以下「小隊長等」という。)若しくは救急隊員に事故あるときは、代行者を指定しなければならない。

(令3消防局訓令10・一部改正)

(装備)

第5条 救急隊等に救急自動車のほか、応急手当に必要な資機材及び衛生器材を装備する。

2 前項の装備のほか、高度救急隊に傷病者の救命率の向上及び後遺障害の軽減などに必要な資機材を装備する。

3 前2項に掲げる資機材及び衛生器材の管理については、別に定める。

(服装)

第6条 救急隊員は、救急出場に当たっては、救急服及び安全帽を着用するものとする。

2 高度救急隊の医師及び看護師の服装については、別に定める。

(隊員の心得)

第7条 救急隊員は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 救急業務の特殊性を自覚し、常に身体、着衣の清潔保持に留意するとともに、傷病者の取扱いに当たっては懇切丁寧を旨とし、傷病者に羞恥又は不快の念を抱かせないように留意すること。

(2) 応急処置に際し、過誤のないよう常に救急技術の練磨に努めること。

(3) 救急資機材の保全に留意するとともに、その使用については適正を期すこと。

(4) 救急出場に備え、勤務位置をみだりに離れないこと。

(訓練)

第8条 署長等は、救急隊員に対して救急業務を行うに必要な学術及び技能を習得するための訓練を随時実施しなければならない。

2 前項の訓練とは、災害発生時における傷病者の救出及び熱傷、ガス中毒、感電、出血その他の患者の応急処置等の訓練をいう。

(出場)

第9条 署長等は、市民等からの救急出場の要請を受け、又は救急事案を現認した場合若しくは災害により傷病者の発生が予測される場合には、救急隊等を出場させなければならない。

2 救急隊等の出場区分については、別に定める。

(口頭指導)

第9条の2 通信指令第一係及び通信指令第二係(以下「通信指令室」という。)の係員又は救急隊員は、救急現場付近にある者から電話等による救急要請を受理したときは、応急手当の協力を要請するとともに、別に定める基準に基づく適切な口頭指導に努めるものとする。

(現場要務)

第10条 救急隊は、現場到着と同時に必要に応じて傷病者に応急処置を施し、法第35条の5第1項の規定に基づき、鹿児島県が作成した「傷病者の搬送及び受入れに関する実施基準」(平成23年3月制定)に従い、又は傷病者の症状やかかりつけ医療機関の有無等を考慮し、迅速かつ適切に医療機関に搬送するものとする。

2 小隊長は、傷病者を観察した結果、傷病の程度が軽症で搬送の必要がないと認められるときは、傷病者本人又は家族等の同意を得て、応急処置のみにとどめることができる。

3 小隊長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、速やかに救急現場への医師の派遣を要請し、医師の診断結果により行動するものとする。

(1) 傷病者の状態から搬送することが生命に危険であると認められる場合

(2) 傷病者の状態から搬送可否の判断が困難な場合

(3) 傷病者の救出に当たり、医療を必要とする場合

4 小隊長等は、傷病者の搬送に当たり支障のない場合は、付添人の同乗等の便宜を図ることができる。

5 小隊長等は、傷病者の傷病の状況により必要があると認めるときはその者の家族等に対し傷病の程度及び状況等を連絡するよう努めるものとする。

6 小隊長等は、当該救急隊等のみで救出、搬送、応急処置その他の現場活動を行うことが困難と判断したときは、速やかに消防小隊、救助小隊又は他の救急小隊等の応援を要請するものとする。

(犯罪による傷病者の取扱)

第11条 小隊長等は、傷病の原因に犯罪の疑いがあると認める者を救護した場合は、速やかに所轄警察署長に通報するとともに証拠の保全に努めなければならない。

(傷病者の死亡)

第12条 小隊長等は、現場到着時において傷病者の生存を確認した場合で、救出活動中若しくは搬送途中において死亡したとき、又は現場到着時において傷病者が明らかに死亡していると認められる場合は、所轄警察署長に通報しなければならない。

2 小隊長等は、前項の現場到着時において傷病者が明らかに死亡していると認められる場合は、傷病者を警察官に引き継ぎ、搬送しないものとする。

(第三者の妨害等)

第12条の2 小隊長等は、救急業務中に第三者からの妨害又は暴行等(以下「妨害等」という。)を受けたときは、被害の軽重にかかわらず直ちに所轄警察署長に通報するとともに、被害の拡大防止に努めるものとする。

2 小隊長等は、前項の被害を受け、救急業務の継続が困難であると認めるときは、直ちに通信指令室に連絡し、救急隊の応援を要請するものとする。

3 署長等は、救急隊等が第1項の妨害等を受けたときは、消防局長に報告するとともに、警察機関と密接な連絡をとり、厳正な措置を講じるものとする。

4 前3項の規定によるほか、救急業務に対する妨害等の対応に関する事項は、別に定める。

(感染防止対策)

第12条の3 救急隊員は、傷病者の症状に応じて適切な感染防止対策を講ずるものとする。

2 前項の感染防止対策に関し、必要な事項は別に定める。

(感染症患者の取扱)

第13条 小隊長等は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)に基づく、一類感染症、二類感染症、指定感染症又は新感染症(以下「感染症等」という。)患者並びに一類感染症及び二類感染症の疑似症患者の対応については、鹿児島市保健所(以下「市保健所」という。)との覚書又は協議によるほか、鹿児島市新型インフルエンザ等対策本部規程(平成27年訓令第7号)によるものとする。

2 前項の患者のほか、感染症等の疑いのある患者についても前項と同様に取り扱うものとする。ただし、生命に危険をおよぼし又は緊急に医療機関へ搬送しなければならない場合にあってはこの限りでない。

3 小隊長等は、傷病者を搬送した後、その傷病者が感染症等にり患し、又はその疑いがあった場合は、直ちにその旨を署長等に報告するとともに、車両等の所定の消毒を行い必要な措置を講ずるほか、市保健所の指導を仰ぐものとする。

(被救護者の引渡)

第14条 小隊長等は、傷病者を医療施設に搬送したときは、医師に所要事項を告げ、特に必要があると認めるときは、傷病者収容薄(様式第1)に所要事項を記入し、医師の押印を受けなければならない。

(要保護者の取扱)

第15条 署長等は、医療費の支払能力がないと認められる傷病者を救護し、医療施設に搬送したときは、その旨を鹿児島市福祉事務所長に行旅病人等収容連絡票(様式第2)により通知するものとする。

(救急報告)

第16条 小隊長等は、救急事案が終了したときは、遅滞なく支援情報システムの救急事案管理(以下「救急事案管理」という。)に必要事項を入力するとともに、救急活動報告書を帳票で出力し、署長等に提出しなければならない。

2 小隊長等は、特異な救急事案等で必要と認める事案については、その概要を速やかに上司に報告するものとする。

3 救急救命士が救急救命士法施行規則(平成3年厚生省令第44号)第21条に定める救急救命処置を実施した場合は第1項の救急活動報告書に加え、救急事案管理の救急救命処置録を作成し、署長等を経由して、消防局長に提出しなければならない。

4 救急事案管理の入力要領及び救急活動報告書等の記載に関する事項は、別に定める。

(出場中の事故)

第17条 小隊長等は、出場中の交通事故又は車両故障その他の事由により救急業務の継続が困難となったときは、速やかにその旨を上司に報告しなければならない。

(出場不能)

第18条 署長は、車両の故障又は出場不能の状態になったときは、速やかに他の救急隊等の出場を命ずるなど、臨機応変の処置をしなければならない。

(非番小隊の待機、出場及び隊員外職員の指揮)

第19条 署長は、災害の規模又は傷病者の状況その他の事由により、救急体制を強化する必要があると認めるときは、非番の救急小隊を待機させ、若しくはこれに出場を命じ、又は救急隊員以外の消防職員を救急隊員として救急業務に従事させることができる。

2 前項の救急隊員以外の消防職員のみで救急小隊を編成する場合は、1名以上の救急資格者を充てるよう努めるものとする。

(救急自動車以外の自動車の使用)

第20条 署長等は、前3条の場合において、特に必要があると認めるときは、救急自動車以外の車両を救急業務のため使用することができる。

(ドクターヘリの活用等)

第20条の2 傷病者の救命効果と後遺障害の軽減を図るため、鹿児島県ドクターヘリを積極的に活用するものとする。

2 鹿児島県ドクターヘリの出動要請等に関する事項は、別に定める。

第3章 多数傷病者事故救急業務

(多数傷病者事故)

第21条 傷病者が、同時に多数(10人以上)発生し、又は発生が予想される事故等(以下「多数傷病者事故」という。)にあっては、次に掲げる順位に従い、鹿児島市医師会等の関係機関と連携した活動を行うものとする。

(1) 指揮命令系統の確立

(2) 安全確保

(3) 情報伝達

(4) 傷病者トリアージ

(5) 応急処置及び治療

(6) 傷病者搬送

2 多数傷病者事故における対応については、鹿児島市消防警備基本規程(平成26年消防局訓令第2号)によるほか、必要な事項については別に定める。

第4章 雑則

(消毒)

第22条 救急隊等は、次により救急自動車及び積載品等の清掃、消毒を行い、常に衛生保持に努めなければならない。

(1) 定期消毒(交替後及び毎月1回)

(2) 使用後消毒(使用の都度)

(感染性廃棄物の処理)

第23条 救急業務等の実施に伴い発生する感染性廃棄物の処理については、救急隊員の感染防止対策の強化を図るため、別に定める感染性廃棄物の処理基準に基づき適正な処理を行うものとする。

(帳簿)

第24条 救急隊等には、次の帳簿を備え、所定事項を記入しておかなければならない。

(1) 救急業務日誌

(2) 衛生材料受払簿(様式第3)

この訓令は、平成27年8月1日から施行する。

(令和3年3月31日消防局訓令第10号)

この訓令は、令和3年4月1日から施行する。

画像

画像

画像

鹿児島市消防救急業務規程

平成27年7月31日 消防局訓令第11号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
第12類 防/第2章
沿革情報
平成27年7月31日 消防局訓令第11号
令和3年3月31日 消防局訓令第10号