○鹿児島市法定外公共物管理条例

平成16年10月18日

条例第83号

(趣旨)

第1条 この条例は、法令、他の条例及び規則に定めのあるもののほか、法定外公共物の管理について必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 法定外公共物 道路及び水路

(2) 道路 本市が所有する道路法(昭和27年法律第180号)の適用を受けない道路(トンネル、橋りよう等当該道路と一体をなす施設、工作物その他の附属物及びのり面を含む。)

(3) 水路 本市が所有する河川法(昭和39年法律第167号)の適用又は準用を受けない河川、湖沼、ため池、水路等(堤防、水門、水管、せき等当該河川等と一体をなす施設、工作物その他の附属物を含む。)のうち、下水道法(昭和33年法律第79号)が適用される下水道及び鹿児島市地域下水道条例(平成16年条例第44号)に定める地域下水道以外のもの

(行為の禁止)

第3条 何人も法定外公共物に関し、次に掲げる行為をしてはならない。

(1) 正当な理由がなく法定外公共物を損傷し、又は汚損すること。

(2) 正当な理由がなく法定外公共物に土石、竹木、ごみ、汚物その他これらに類するものをたい積し、又は投棄すること。

(3) 前2号に掲げるもののほか、正当な理由がなく法定外公共物の機能、構造等に支障を及ぼすおそれのある行為をすること。

(占用等の許可)

第4条 法定外公共物において次に掲げる行為(以下「占用等」という。)をしようとする者は、規則で定めるところによりあらかじめ申請し、市長の許可を受けなければならない。許可を受けた事項を変更しようとするときも、同様とする。

(1) 敷地を占用すること。

(2) 工作物を新築し、改築し、又は除却すること。

(3) 土地の掘削、盛土若しくは切土その他土地の形状を変更する行為又は竹木の栽植若しくはその伐採をすること。

(4) 土石、竹木その他これらに類するものを採取すること。

(5) 流水を占用すること(灌漑かんがい用に係るものを除く。)

(6) 前各号に掲げるもののほか、法定外公共物の機能、構造等に支障を及ぼすおそれのある行為で規則で定めるものをすること。

2 市長は、法定外公共物の管理上必要があると認めるときは、前項の許可に条件を付けることができる。

(許可の期間)

第5条 前条第1項の許可の期間は、5年以内とする。ただし、長期にわたり工作物を設置することが必要であると認められる場合にあっては、10年以内とすることができる。

2 前項の期間は、申請により更新することができる。

(注意義務)

第6条 第4条第1項の許可を受けた者(以下「占用者等」という。)は、許可の期間中、その許可に係る法定外公共物について必要な注意を払い、法定外公共物の機能、構造等に支障が生じないようにしなければならない。

(標識の掲示)

第7条 占用者等は、第4条第1項の許可の期間中、規則で定める事項を記載した標識を占用等をする場所の見やすい位置に掲示しなければならない。ただし、掲示することが困難な場合又はその他の理由により掲示することが不適当であると市長が認める場合は、この限りでない。

(変更等の届出)

第8条 占用者等は、次の各号のいずれかに該当するときは、規則で定めるところにより遅滞なく市長に届け出なければならない。

(1) 住所又は氏名(法人にあっては、主たる事務所の所在地又は名称)を変更したとき。

(2) 法人である占用者等が代表者を変更したとき。

(3) 許可を受けた占用等を廃止したとき(許可期間の満了に伴う第5条第2項の規定による更新申請を行わないときを含む。)

(4) 天災その他の不可抗力により許可を受けた行為の目的を達することができなくなったとき。

(5) 許可に係る法定外公共物に異状を認めたとき。

2 法人である占用者等が解散したときは、その清算人は、規則で定めるところにより遅滞なく市長にその旨を届け出なければならない。

(検査等)

第9条 占用者等が占用等のうち工事を要する行為をしようとするときは、規則で定めるところにより市長に届け出なければならない。

2 前項の届出をした者が当該工事を完了したときは、規則で定めるところにより市長に届け出て、検査を受けなければならない。

(占用等の廃止等に伴う原状回復)

第10条 第8条第1項第3号又は第4号の規定による届出をした者は、当該法定外公共物を自己の費用で原状回復した後、規則で定めるところにより市長の検査を受けなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、法定外公共物の管理上支障がないと市長が認めるときは、法定外公共物を原状に回復する義務を免除することができる。

(権利の譲渡等の制限)

第11条 占用者等は、その許可に基づく権利を他人に譲渡し、若しくは転貸し、又は担保に供してはならない。ただし、規則で定めるところにより市長の承認を受けたときは、この限りでない。

(地位の承継)

第12条 占用者等について相続、合併又は分割があったときは、その相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により第4条第1項の許可に基づく権利を承継した法人は、同項の許可を受けていた者が有していた当該許可に基づく地位を承継する。

2 前項の規定により地位を承継した者は、その承継の日から1月以内に規則で定めるところにより市長に届け出なければならない。

(道路占用料)

第13条 道路について第4条第1項第1号に掲げる行為に係る許可を受けた者は、道路占用料を納付しなければならない。

2 前項の道路占用料の額及びその算出方法は、鹿児島市道路占用料条例(昭和42年条例第95号)の例による。

(水路占用料)

第14条 水路について第4条第1項第1号に掲げる行為に係る許可を受けた者は、水路占用料を納付しなければならない。

2 前項の水路占用料の額及びその算出方法は、鹿児島市準用河川流水占用料等条例(平成16年条例第102号。以下「流水占用料等条例」という。)の土地占用料の例による。

(土石等採取料)

第15条 第4条第1項第4号に掲げる行為に係る許可を受けた者は、土石等採取料を納付しなければならない。

2 前項の土石等採取料の額及びその算出方法は、流水占用料等条例の例による。

(流水占用料)

第16条 第4条第1項第5号に掲げる行為に係る許可を受けた者は、流水占用料を納付しなければならない。

2 前項の流水占用料の額及びその算出方法は、流水占用料等条例の例による。

(占用料等の納付)

第17条 第13条第1項の道路占用料、第14条第1項の水路占用料、第15条第1項の土石等採取料又は前条第1項の流水占用料(以下「占用料等」という。)は、第4条第1項の許可を受けた日から1月以内に会計年度により当該年度分を納付し、翌年度分からは、当該年度の4月30日までに納付しなければならない。この場合において、当該期限が民法(明治29年法律第89号)第142条に規定する休日、土曜日又は12月31日に当たるときは、これらの日の翌日を当該期限とみなす。

2 前項の規定にかかわらず、市長は、占用料等を一括して納付させることが困難であると認めるときは、占用者等からの申請に基づき、分割して納付させることができる。

(減免)

第18条 市長は、次の各号のいずれかに該当する占用等については、占用料等を減額し、又は免除することができる。

(1) 地方財政法(昭和23年法律第109号)に規定する公営企業のためにする占用等

(2) 小規模な通路橋、排水路等を設けるためにする占用等

(3) 水管又はガス管の各戸引込管のためにする占用等

(4) 祭典又は縁日のために臨時にする占用等

(5) 前各号に掲げるもののほか、市長が特別の理由があると認める占用等

(占用料等の不還付)

第19条 占用者等が占用等を廃止し、又は中止した場合においても、既納の占用料等は、還付しない。ただし、市長が特別の理由があると認めるときは、当該占用料等の全部又は一部を当該年度分に限り還付することができる。

(調査等)

第20条 市長は、法定外公共物の管理を適正に行うため調査又は測量を行う必要があると認めるときは、その職員に他人の占有する土地へ立ち入らせることができる。

2 市長は、前項の規定により職員を他人の占有する土地に立ち入らせようとするときは、あらかじめその占有者にその旨を通知しなければならない。

3 前項の場合において、通知を受けるべき者の所在が判明しないときは、同項の規定による通知を、当該占有者の氏名(法人にあっては名称及び代表者の氏名)及び同項の規定による通知の内容を記載した書面をいつでも当該占有者に交付する旨を市役所の掲示場に掲示することによって行うことができる。この場合においては、掲示を始めた日から2週間を経過したときに、当該通知が当該占有者に到達したものとみなす。

4 第1項の規定により宅地又は垣、さく等で囲まれた土地に立ち入ろうとする場合は、立入りの際、あらかじめその旨を当該土地の占有者に告げなければならない。

5 第1項の規定に基づき他人の土地に立ち入ろうとする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(許可の取消し等)

第21条 市長は、占用者等が次の各号のいずれかに該当する場合には、この条例の規定による許可又は承認を取り消し、若しくはその条件を変更し、又は行為の中止、施設、工作物等の改築、移転若しくは除却若しくは原状回復を命ずることができる。

(1) この条例この条例に基づく規則又はこの条例に基づく処分に違反した場合

(2) 第4条第1項の許可の条件に違反した場合

(3) 偽りその他不正な手段により許可又は承認を受けた場合

2 市長は、次の各号のいずれかに該当する場合には、占用者等に対し、許可又は承認を取り消し、若しくはその条件を変更し、又は行為の中止、施設、工作物等の改築、移転若しくは除却若しくは原状回復を命ずることができる。

(1) 法定外公共物に関する工事等のためやむを得ない事由が生じた場合

(2) 法定外公共物の構造又は利用に著しい支障が生じた場合

(3) 前2号に掲げる場合のほか、法定外公共物の維持管理上の必要が生じた場合

(禁止行為に係る原状回復)

第22条 第3条各号の規定に違反し、法定外公共物の管理上支障を来していると認めるときは、市長は、当該違反行為を行った者に対し、自己の費用で法定外公共物を原状に回復するよう命ずることができる。

2 前項の規定にかかわらず、特別の事情があると市長が認めるときは、法定外公共物を原状に回復する義務を免除することができる。

(委任)

第23条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が規則で定める。

(罰則)

第24条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の過料に処する。

(1) 第3条各号に掲げる行為を行った者

(2) 第4条第1項の許可を受けないで占用等を行った者

(3) 第4条第1項の許可の条件に違反した者

(4) 正当な理由がなく第9条第2項又は第10条第1項の検査を拒否した者

(5) 正当な理由がなく第20条の規定に基づき職員が行う土地への立入りを拒否した者

(6) 第21条各項又は第22条第1項の規定に基づく市長の原状回復命令に違反した者

(施行期日)

第1条 この条例は、平成16年11月1日から施行する。ただし、第23条及び付則第10条の規定は、公布の日から施行する。

(鹿児島県知事の承認に係る経過措置)

第2条 本市と国との間で国有財産特別措置法(昭和27年法律第219号)第5条第1項第5号の規定に基づく譲与契約を締結した日(以下「契約日」という。)の前日までに鹿児島県知事からその管理に属する国土交通大臣の所管に係る国有財産(契約日以後法定外公共物となるものに限る。以下「国有財産」という。)に係る工事施行承認を受けており、かつ、現に当該工事に係る工作物等を管理する者は、契約日以後引き続き第4条第1項の許可を受けた者とみなす。

2 前項の規定により第4条第1項の許可を受けた者とみなされる者に係る許可の有効期間は、第5条第1項の規定にかかわらず、平成27年3月31日までの間で市長が別に定める日までとする。

3 第1項の規定により第4条第1項の許可を受けた者とみなされる者に係る道路占用料及び水路占用料の徴収に関する規定は、平成17年4月1日以降に係る分から適用する。

(普通河川管理条例に基づく行為等の効力)

第3条 契約日前に普通河川管理条例(昭和27年鹿児島県条例第69号)の規定に基づき鹿児島県知事又は編入前の吉田町、桜島町、喜入町、松元町若しくは郡山町(以下「5町」という。)の長から工作物の築造、河川の敷地、水面若しくは流水の占用、竹木の栽植又は土石、石れき、草木その他の生産物の採取の許可を受けており、かつ、当該許可の有効期間が契約日以後に残存する者については、契約日以後引き続き第4条第1項の許可を受けた者とみなす。

2 前項の規定により第4条第1項の許可を受けた者とみなされる者に係る許可の有効期間は、第5条第1項の規定にかかわらず、契約日前に鹿児島県知事又は5町の長が行った許可の期間によるものとする。

3 第1項の規定により第4条第1項の許可を受けた者とみなされる者に係る占用料等の徴収に関する規定は、平成17年4月1日以降に係る分から適用する。

(従前の鹿児島市の区域内に係る経過措置)

第4条 この条例の施行の際現に、市長から法定外公共物について地方自治法(昭和22年法律第67号)第238条の4第4項の規定による使用許可(当該使用許可に係る有効期間がこの条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後に残存するものに限る。)を受けている者については、施行日以後引き続き同一の条件及び有効期間で第4条第1項の許可を受けた者とみなす。

2 前項の規定により第4条第1項の許可を受けた者とみなされる者に係る当該有効期間中の道路占用料及び水路占用料の徴収については、第13条及び第14条の規定にかかわらず、行政財産の目的外使用料条例(昭和42年条例第40号)第2条及び第3条の例によるものとする。

3 施行日前から従前の鹿児島市の区域内において、工事、土石等の採取又は流水の占用を行っている者については、第4条第1項の規定にかかわらず、施行日から平成17年3月31日までの間は、なお従前の例によるものとする。

(吉田町の編入に伴う経過措置)

第5条 編入前に吉田町であった区域内にある法定外公共物について、この条例の施行の際現に吉田町法定外公共物管理要綱(平成15年吉田町要綱第3号。以下この条において「吉田町要綱」という。)第5条第1項(第5号を除く。)の規定による占用等の許可(当該許可に係る有効期間が施行日以後に残存するものに限る。)を受けている者については、施行日以後引き続き同一の条件及び有効期間で第4条第1項に規定する許可を受けた者とみなす。

2 編入前に吉田町であった区域内にある法定外公共物について、施行日前に吉田町要綱第10条の規定により吉田町長と占用等の協議(当該協議に係る同意の期間が施行日以後に残存するものに限る。)をした国又は地方公共団体は、施行日以後引き続き同一の条件及び有効期間で第4条第1項の許可を受けた者とみなす。

3 前2項の規定により第4条第1項の許可を受けた者とみなされる者に係る占用料等の徴収に関する規定は、平成17年4月1日以降に係る分から適用する。

(桜島町の編入に伴う経過措置)

第6条 編入前に桜島町であった区域内にある法定外公共物について、この条例の施行の際現に桜島町法定外公共物管理要綱(平成14年桜島町告示第53号。以下この条において「桜島町要綱」という。)第5条第1項の規定による使用等の許可(当該許可に係る有効期間が施行日以後に残存するものに限る。)を受けている者は、施行日以後引き続き同一の条件及び有効期間で第4条第1項の許可を受けた者とみなす。

2 前項の規定により第4条第1項の許可を受けた者とみなされる者に係る道路占用料及び水路占用料の徴収については、施行日から平成17年3月31日までの間は、第13条及び第14条の規定にかかわらず、桜島町要綱第8条並びに桜島町行政財産の目的外使用料徴収条例(昭和53年桜島町条例第56号)及び桜島町道路占用料条例(昭和62年桜島町条例第10号)の例によるものとし、土石等採取料及び流水占用料の徴収については、なお従前の例によるものとする。

(喜入町及び郡山町の編入に伴う経過措置)

第7条 編入前に喜入町及び郡山町であった区域内にある法定外公共物について、施行日前から引き続き占用等を行っている者については、施行日から平成17年3月31日までの間は、なお従前の例によるものとする。

(松元町の編入に伴う経過措置)

第8条 編入前に松元町であった区域内にある法定外公共物について、この条例の施行の際現に松元町法定外公共物の管理に関する条例(平成13年松元町条例第18号。以下この条において「松元町条例」という。)第4条第1項(第5号を除く。)の規定による占用等の許可(当該許可に係る有効期間が施行日以後に残存するものに限る。)を受けている者は、施行日以後引き続き同一の条件及び有効期間で第4条第1項(第5号を除く。以下この条において同じ。)の許可を受けた者とみなす。

2 編入前に松元町であった区域内にある法定外公共物について、施行日前から引き続き流水の占用を行っている者については、施行日から平成17年3月31日までの間は、なお従前の例によるものとする。

3 第1項の規定により第4条第1項の許可を受けた者とみなされる者に係る道路占用料及び水路占用料の徴収については、施行日から平成17年3月31日までの間は、第13条及び第14条の規定にかかわらず、松元町条例第14条及び松元町道路占用料徴収条例(昭和63年松元町条例第7号)の例によるものとし、土石等採取料及び流水占用料の徴収については、なお従前の例によるものとする。

(標識の掲示に係る経過措置)

第9条 付則第2条から前条までの規定により第4条第1項の許可を受けたとみなされる者又は従前の例によるものとされる者については、施行日から平成17年3月31日までの間は、第7条本文の規定は適用しないものとする。

(届出等)

第10条 付則第1条ただし書に規定する規定の施行の日(以下「一部施行日」という。)において、鹿児島県知事から国有財産に係る工事施行承認を受けており、かつ、現に当該工事に係る工作物等を管理している者は、市長に届け出なければならない。

2 市長は、一部施行日から契約日までの間、現に国有財産の占用等を行っている者に対し、必要な報告を求めることができる。

鹿児島市法定外公共物管理条例

平成16年10月18日 条例第83号

(平成16年11月1日施行)

体系情報
第11類 設/第1章 土木・建築
沿革情報
平成16年10月18日 条例第83号